


映画『不完全世界』Official Web Site
監督:古本 恭一 齋藤 新
出演:新宮明日香 水津 亜子 川相真紀子
きた Sufa 小林 康雄 まつい 綾
近藤 三郎 レイミンク 高石 舞 太三 黒岩よし
長谷川公彦 古本 恭一 吉村 実子
撮影:三本木久城 齋藤さやか
脚本:水津 亜子 日本語字幕:牧田めぐみ
製作:古本ダクト
(2019年/日本/142分/日本語・英語)





シェアハウスで暮らす20代の女たち。
ミドリ・シホ・アイリ。
ある日シホが不倫の末に妊娠する。
思い悩むシホに女優のミドリが言い出したのは、思いもよらない大胆な計画だったー
不倫相手の急死、その妻の元アイドル、311の津波で被災した男、死を前にした老女優とその娘。
出逢うはずのなかった様々な人間の運命を巻き込んで、事態は予想もつかなかった方向へ転がって行くー


スイス国際映画祭
最優秀外国映画賞

アテネ国際デジタルフィルム映画祭
ファイナリスト

Constanta International Film Festival
コンスタンツァ国際映画祭
入選

Eurasia International monthly film festival
Best Feature Film
ユーラシア国際月間映画祭
最優秀長編映画

Kosice International Monthly Film Festival
Honorable Mention Feature Film
コシツェ国際月間映画祭
長編映画部門 佳作

ベスビウス国際月間映画祭
長編映画部門 入選

Toronto International
Women Film Festival
トロント国際女性映画祭(月間)
入選

New Cinema Lisbon Monthly Film Festival
ニューシネマ・リスボン月間映画祭
ファイナリスト

終了
終了
終了

.jpg)
古本恭一 Kyoichi Komoto

作曲
Lyuta Ito
(Lasp Inc.)
英語字幕
牧田めぐみ
Megumi Makita
脚本
水津亜子
Aco Suizu
製作


今関あきよし(映画監督)
夕暮れに、ゆっくりと、ページをめくって読む一冊の本のような、めくるたびに世界が広がってゆく、心地良き時間。
古本監督のイマドキで言えば、ウザったいほどの人間好きが映画全体を覆っていて嬉しい。
齋藤新監督とのオムニバス形式ながら鑑賞後の味わいは明らかに古本監督のテイスト。
音楽も素敵だった。
劇中劇のモノクロ世界も素敵だった。
何よりも「古本組」の結束力、映画愛に満ち満ちていて、嫉妬してしまうほど、羨ましい映画仲間達。
素敵な時間をありがとうございました。
最後に、
「きんぴら入りのピタパン」が、物凄く食べたい!
川口敦子(映画評論家)
群像劇を究めたアルトマンは、ひとつでは見えない何かが複数の物語を紡ぐことで見えてくると述懐した。
古本・齋藤両監督の映画を前にして実は、なぜオムニバスと最初は訝しく感じたけれど、3つの物語を撚り合わせゆっくりと母性という物語を浮上させる様にいつしか抵抗感が遠のいた。
いっぽうでJ・クロフォードと娘を描いた映画の記憶もうっすらと想起させる第参話はじっくり単独で描いてみて欲しい気もした。
娘役川相真紀子のくぐもった存在感の演じ方、もっと見たいと思った。
(『キネマ旬報』2020年8月下旬号 星取評より)
佐野亨(ライター・編集者)
この映画には想定が裏切られることをおそれない、むしろ待望しているかのような自由さがある。そうすると不思議なもので、シチュエーションや対話の成立/不成立がおのずと豊かな映画の時間を刻み始める。
三部構成だが、古本恭一監督の一・三部と齋藤新監督の二部が互いに世界の不完全さ、それをめぐって右往左往する人間たちの群像劇として呼応し合う形になっており、ラストには奇妙な安堵感が残る。
(『キネマ旬報』2020年8月下旬号 星取評より)
福間健二(詩人・映画監督・映画評論家)
三部構成。なんと本作脚本の水津亜子演じる元アイドルの千波が活躍する二部に入り、活気が出た。千波は、突然死んだ夫の不倫相手で妊娠している女性の身がわり役に会って、声が出なくなる。夫の残したものは放棄し、筆談で挑む就活の末に、車で売るピタパン屋に強引に就職するのだが、やることすべてに明快さと意外性がある。一部と三部の古本監督がピタパン屋でもある。
二部は齋藤監督だが、「手触り」にチームとしての気合いを感じた。
三部の、自身に近い役の吉村実子、偉い。
(『キネマ旬報』2020年8月下旬号 星取評より)
いしかわ彰(脚本家)
池袋のシネマ・ロサで「不完全世界」を鑑賞しました。
ピタパン屋が登場したあたりからグッと物語に引き込まれまして。
印象的なシーンがいくつかあり、帰りの電車の中でそれらを思い返しながら余韻に浸りました。
地元駅に着くまで、ずっとこの映画のことを考えていたなあ。
そりゃ人生いろいろあるけども、それでも人は生きていくわけです。
前を向いたヒロインたちに、そう、背中を押された気がしました。
じんわり心に残るいい映画でした。